SMBG
SMBG(自己血糖測定) 01自己血糖測定
注射薬(インスリン、GLP-1受容体作動薬)を使用されている糖尿病患者様には、病院における血糖やHbA1cの測定以外に、自宅で患者様ご自身による血糖測定を行っていただいています(血糖自己測定といいます)。血糖自己測定による普段の血糖値の推移を外来診察時に確認することで注射薬の用量を調整します。また、自宅で低血糖を起こした場合に患者様ご自身で血糖値を確認し適切な対応が可能になることからも血糖自己測定をお願いしております。
当院での血糖測定機器は大きくわけて2種類あります。
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指先で血糖値を測定するタイプ(SMBG)
こちらは従来から用いられてきた血糖測定方法で、血糖自己測定の基本形です。指の腹の部分を専用の針で穿刺(せんし)し、血液を絞りだし、センサーに吸わせることで血糖値を測定します。通常の血液検査よりも簡便に血糖値を測定することができますが、指先の穿刺時に若干の痛みを伴います。当院では以下の4機種の取り扱いがあります。
ニプロケアファストR
グルテストアイ
ニプロケアファストLink
フリースタイルリブレ
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腕に装着したセンサーで24時間持続的に測定するタイプ(CGM)
こちらは、近年登場した新しい血糖測定方法になります。
1の指先で測定する方法(SMBG)の場合、測定した時点の血糖値しかわからず、血糖値の推移が“点”でしかわかりませんでしたが、この24時間測定するタイプの場合は、“線”で血糖値の推移がわかるため、よりきめ細かい血糖コントロールが可能となります。一方で、保険適応ではありますが、SMBGと比較しますと費用が多くかかる点はデメリットです。1型・2型の病型を問わずインスリン療法を行うすべての糖尿病患者様が保険適応で使用できます。ご希望の患者様は医師にご相談ください。
(アボット社 HPより)
SMBG(自己血糖測定) 02インスリンポンプ治療
インスリンポンプ治療とは?
通常のインスリン治療は、ペン型のインスリン注入器を用いて一日に一回あるいは複数回自己注射を行いますが、インスリンポンプ治療では以下の図のように、インスリンポンプ本体からカニューレを介して皮下にインスリンが持続的に注入されます。近年ではこれらのポンプ機能に加えて、血糖値を24時間測定し続ける持続血糖測定機能を併せ持ったSAP(サップ)療法も登場しており、当院でも使用可能です。
カニューレの差し替え、インスリンポンプ本体のインスリンの充填等は2~3日に1回程度の頻度で交換が必要であり、患者様ご自身で行っていただきます。インスリンポンプ導入時には熟練した看護師が手技を説明しますのでご安心ください。
(メドトロニック社 インスリンポンプ療法 はじめてガイドより引用)
インスリンポンプ治療の対象
インスリンポンプ治療を選択する患者様は以下のような方が多いです。
- 血糖変動の激しい1型糖尿病、インスリン分泌の低下した2型糖尿病の方
- 頻回のインスリン注射をしたくない・難しい方
- 糖尿病合併妊娠の方
- 医師が必要と判断した方
インスリン治療別のメリット・デメリット
それぞれの治療方法にはメリット・デメリットがあります。代表的なものは以下の通りです。
インスリンポンプ治療 | ペン型インスリン治療 | |
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メリット | ・注射を毎日行う必要がない (数日に1回お腹にセットする) ・時間ごとにインスリン注入量を細かく 調整可能 |
・簡便 ・インスリンポンプ治療よりも費用が安い |
デメリット | ・費用が高額 ・ポンプ本体やチューブを常時身に着ける必要がある ・インスリンがうまく注入されないなどのトラブルが起きることがある |
・毎日皮下注射が必要 ・時間帯毎にインスリン注入量を変えることができない(柔軟に調整することが難しい) |
インスリンポンプ治療の費用
- 1型糖尿病の患者様で、ペン型インスリン注射を行っていた方がインスリンポンプ治療に切り替えた場合の費用になります。
- 血糖測定はフリースタイルリブレ(24時間血糖持続測定器)と指先測定を併用していたと仮定しています。
- 診察費用(再診料など)や検査費用・インスリン薬剤費などは含まれておりません。
- 3割負担の方で9,000円程度の費用負担増になります。
変更前
- 在宅自己注射指導管理料(28回以上)
- 7,500円
- 血糖自己測定加算(120回以上)
- 14,900円
- 合計
- 22,400円(3割負担 6,720円)
変更後
- 在宅自己注射指導管理料(複雑な場合)
- 12,300円
- 間歇注入シリンジポンプ加算(プログラム付き)
- 25,000円
- 血糖自己測定加算(120回以上)
- 14,900円
- 合計
- 52,200円(3割負担 15,660円)
インスリン治療(1日3回以上の頻回注射)を受けられており、インスリンポンプ治療にご興味のある患者様は、内科スタッフにご相談ください。