エボルブとはEvolve
Evolve(エボルブ)は、イタリアのSoleko社が開発した屈折型の焦点深度拡張型レンズです。日本では未承認のレンズとなります。
エボルブは中心に1.7mmの焦点深度拡張領域を持ち、その周辺には遠方のゾーンが配置されています。中心部の焦点深度領域には+2.50D(眼鏡面で1.75D)のパワーがあるため、約50cmまで良好な近見視力を獲得できます。
エボルブを使用した手術は保険適応外のため、自費診療となります。
エボルブの特徴
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強度近視や強度遠視、強度乱視にも適用可能な広いレンズ制作範囲を持っている。
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屈折型の焦点深度拡張型レンズであるため、コントラスト感度の低下が少ない。
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遠方から中間までの距離はクリアに見えるが、近くの小さな文字を読む際には眼鏡が必要となる。
エボルブの効果
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Alldistance Visual Acuity全距離視力
5mから30cmまでの視力を下の図に示します。
5mでは1.0を超え、40cmから50cm程度まで良好な視力を獲得できています。30cmの距離では視力が低下するため、必要に応じて近く用眼鏡が必要になります。
全距離視力表
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Defocus Curveデフォーカスカーブ
各度数を入れて遠見視力を確認したものがデフォーカスカーブです。視力の山は0Dの遠見で最も高く、-2.00Dの50cmに相当する山が続いています。遠くから近くまで視力の大きな落ち込みがないレンズであることがわかります。
エボルブのデフォーカスカーブ
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GLARE and HALOグレア・ハロー
エボルブはグレアやハローの光視減少がかなり少ない眼内レンズです。気にならないという感想が多く、全く感じないという患者様もいます。
夜間運転時のシミュレーション
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Contrast Sensitivityコントラスト感度
コントラスト感度は低周波領域から高周波領域まで正常範囲に入っていました。高いコントラストを有しています。
コントラスト感度の測定結果
レンズの規格
球面度数 | 乱視度数 |
---|---|
-5.00D〜+35.00D (0.50Dステップ) | 0.50D〜10.00D (0.25Dステップ) 最大15.00Dまであり |
多焦点眼内レンズのデメリット
エボルブは多焦点眼内レンズのデメリットの影響が少ないレンズですが、全く無いというわけではありません。
日常生活が困難なほど強く感じる場合は、眼内レンズの摘出が必要な場合もあります。
単焦点眼内レンズと比べてすっきりと見えない
(Waxy vision)
専門的には「コントラスト感度が低い」と言います。
視力検査は一定の環境下で測定されていますが、日常では色々な条件下で見ています。
曇り空や夕暮れの雨など、日常で一般的に見えにくさを感じる環境下では、多焦点眼内レンズの方がすっきりとは見えないと言われています。
グレア・ハローの光視現象
グレアやハローは夜間に見えることが多い光視現象です。単焦点眼内レンズでも見られることがありますが、多焦点眼内レンズで出現頻度が高いと言われています。
ほとんどは術後間もない頃で大きく感じられますが、時間の経過とともに小さくなり、気にならなくなっていきます。
治療のスケジュール
手術費用
片眼(乱視なし)
440,000円(税込)
片眼(乱視あり)
495,000円(税込)
※手術決定時に、内金として手術費用の半分をお支払いいただきます。
※手術費用には適応検査、術前検査、レンズ代金、手術後3ヶ月後までの診察費用、検査料、薬剤料を含みます。
※レンズ発注後のキャンセルは原則お受けできません。やむなくキャンセルとなった場合、内金の返金は致しかねます。
※手術費用は、現金またはクレジットカード(VISA・MASTER・JCB・AMEX・ダイナース等)でお支払いください。
入院をご希望の場合
差額室料 | 設備 | |
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大部屋 | 差額室料なし | ロッカー、トイレ、冷蔵庫、テレビ、セーフティボックス |
個室 | ¥5,500(税込) | ロッカー、トイレ、冷蔵庫、テレビ、セーフティボックス |
特別室B | ¥6,600(税込) | ロッカー、トイレ、シャワー、冷蔵庫、ポット、空気清浄機、テレビ、セーフティボックス |
特別室A | ¥22,000(税込) | ロッカー、トイレ、浴室、冷蔵庫、ポット、空気清浄機、テレビ、セーフティボックス、アメニティセット |
※個室料は、1暦日の料金です。
例:個室1泊2日の場合 ¥5,500×2日分=¥11,000
※自費診療で入院される場合の料金となります。
合併症
白内障で起こりうる合併症
白内障手術では以下のような合併症が起こる可能性があります。
(手術中に起こりうる合併症)
チン小帯断裂、後嚢破損、水晶体核落下
(手術後に生じる重篤な合併症)
眼内炎、駆逐性出血、網膜剥離
乱視軸ずれ(乱視矯正レンズを挿入する場合)
乱視矯正効果のあるエボルブを使用する場合、レンズの固定位置が決まっています。手術直後~術後数日の間にレンズが回転してしまうことがあり、乱視矯正効果は減弱します。エボルブが回転して乱視が残存する場合は、レンズの位置を修正する処置が必要となることがあります。なお、乱視軸ずれによる軸修正に係る費用は手術費用に含まれ、追加請求はありません。
度数ずれ
100%の精度で屈折矯正を行うことは現実的には不可能です。近視、乱視が残ることで満足が得られない場合は、エボルブの入れ換え、もしくはアドオンレンズの挿入が必要になる可能性があります。
入れ替えに対する費用は、手術料及びレンズ料金をご負担いただきます。
不適合
その他、手術・検査・診察上はなんら問題なくても、術後に「かすむ」「にじむ」「見づらい」などの症状が生じる場合があります。
これらの多くは原因不明で、対応が難しい場合があります。まずは順応により見え方が改善することを待ちますが、症状が強い場合や時間とともに改善しない場合は、単焦点眼内レンズに交換しなければならないこともあります。
稀ではありますが、人工物が体内に入ること自体を受容できない人が存在し、この場合、単焦点レンズでも見え方や光の感じ方に不快な感覚が生じてしまうこともあります。
このような場合、患者様ご本人の許容が難しく、眼内レンズ交換を希望する場合は再手術となります。なお、再手術における手術費用は、手術料及びレンズ料金をご負担いただきます。
偶発症
手術を行うにあたり、予期しないもしくは発生する確率の極めて低い合併症や偶発症(医療機器の不具合、天災等)による、インテンシティの入れ換えが必要になる可能性があります。なお、入れ替えに対する費用は、手術料及びレンズ料金をご負担いただきます。
レンズの摘出・交換等の
治療に伴う費用について
治療内容 | 費用 |
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レンズの軸ずれ修正 | 手術費用に含まれます |
レンズ不適合や度数ずれにおける新しいレンズ挿入 | 手術手技料・レンズ料金をご負担いただきます |
その他の合併症に伴う新しいレンズ挿入 | 手術手技料・レンズ料金をご負担いただきます |
その他の多焦点眼内レンズについて
選定医療での治療をご希望の方は下記より詳細をご確認いただけます。
※選定療養とは、追加負担をすることで保険適応外の治療を保険適応と併せて受けることができる医療サービスです。