小沢眼科内科病院

ドライアイ

ドライアイ 01ドライアイとは

2016年に出されたガイドラインではドライアイの定義は「さまざまな要因により涙液の安定性が低下する疾患であり、眼不快感や視機能異常を生じ、眼表面の障害を伴うことがある」ものとされています。
涙液層破壊時間(目を開いてから涙の層が壊れるまでの時間)が5秒以下と、ドライアイ症状の二つがあれば確定診断となります。
報告によって異なりますが、日本で行われた40歳以上を対象にした大規模研究では男性の有病率が12.5%、女性の有病率が21.6%となっています。

ドライアイ 02原因

現在でもドライアイの病態については議論がなされています。
日本では、様々な要因によって涙液層の安定性低下と瞬目時の摩擦亢進が起こり、その両者で悪循環が生じることがドライアイの主な病態と考えられています。涙液層の安定性低下と摩擦亢進は、涙液量の減少や蒸発亢進、後述するムチンの減少などによって生じます。
角膜表面には膜型ムチンと呼ばれるタンパクが存在し、角膜表面の水ぬれ性(水の付着しやすさ)を維持しています。また、涙液中には分泌型ムチンが存在し、涙液層の安定性向上や瞬目時の摩擦軽減に関与しています。
涙液層の安定性低下と瞬目時の摩擦亢進が生じると、その結果として炎症が生じます。炎症は眼表面の細胞を障害し、ムチンの分泌を低下させるため、涙液層の安定性低下と瞬目時の摩擦亢進がさらに進行します。
日本では、炎症は二つの悪循環の結果と考えられていますが、米国ではこの炎症こそがドライアイの主な病態であると考えられています。そのため治療としてステロイドや免疫抑制剤の点眼も行われています。

涙液減少の原因の主なものとして、加齢、抗コリン作用薬(一部の眠剤・総合感冒薬・抗精神病薬など)、シェーグレン症候群*、βブロッカー点眼(緑内障点眼の一つ)、眼科手術**などがあります。また、近年では肥満やパソコン・スマホでの作業時間などの生活環境や生活習慣との関係も示唆されています。
蒸発亢進の主な原因としてマイボーム腺機能不全***、瞬目回数の低下、コンタクトレンズ、点眼中の防腐剤、アレルギー性結膜炎などがあります。

*シェーグレン症候群とは自己免疫疾患の一つで、涙腺や唾液線などが炎症性に破壊される疾患です。涙液量が著明に減少し、重度のドライアイを生じます。
**レーシックやその他の眼科手術時に行う角膜切開は角膜神経を障害し、反射性の涙液分泌を減少させ涙液量を減少させることがあります。
***マイボーム腺機能不全は瞼の縁にあるマイボーム腺という場所の機能が低下する疾患です。マイボーム腺からは油分が分泌されており、この分泌が滞ることで涙液の蒸発亢進が生じる可能性があるとされています。

ドライアイ 03症状

乾燥感、異物感、羞明、眼疲労感、眼痛、充血、流涙、眼脂などがあります。他覚的所見と自覚症状がしばしば解離することが知られています。

ドライアイ 04治療方法

現在の医療でドライアイを完治させることはできません。様々な要因が絡み合い発症に至るため、その原因全てに対応することが困難なためです。
診察所見からどこに主な異常があるかを判断し、それに合わせて下記のような点眼、デバイスなどを用いて症状の改善を目指します。

人工涙液

点眼後に涙液量が増加する時間は3分程度とあまり長くはありません。一時的な涙液量増加による安息効果と老廃物を洗い流すウォッシュアウト効果によってドライアイ症状を改善させると考えられています。当院では患者様ご自身で、薬局などで購入していただく形になります。

ヒアルロン酸ナトリウム(ヒアレイン®︎)

現在ドライアイに対して最も多く使用されている点眼薬です。非常に安全な点眼薬で、さし心地も良好なことが多いです。粘弾性と保水性があり、眼球表面の摩擦を軽減させたり、角膜上皮の再生を促したりする作用があります。2020年9月よりOTC薬となり、薬局でも購入できるようになりました。

ジクアホソルナトリウム(ジクアス®︎)

結膜から水分やムチンを分泌させることでドライアイを改善させる作用があります。
点眼を開始すると、刺激感や透明なメヤニのようなものが出現しますが次第に収まってきます。

レバミピド(ムコスタ®︎)

点眼を継続することで眼表面のムチンを分泌する細胞が増加し、結果として眼表面のムチンが増加します。涙液量自体は増加しませんが、涙液層の安定性が向上し、上皮障害も軽減されると報告されています。白く濁っているため点眼後一時的に見えづらさがあることと、独特の苦味があることが特徴です。また溢れた点眼液は放ってくと眼の周囲に白い粉として付着することがあるため拭き取るようにしてください。

涙点プラグ、涙点閉鎖術

点眼治療で効果不十分な涙液減少型ドライアイに対して行います。
涙点は各眼2ヶ所ずつ計4ヶ所あり、それらを閉鎖することで涙液量の増加を目指します。
プラグ挿入の主な合併症として、異物感やプラグの脱落、涙道内への迷入、感染症などがあります。
涙点閉鎖術はプラグ挿入が不適応な症例(脱落を繰り返す、異物感が強いなど)に対して行います。術後しばらくして再開通することや涙嚢炎を発症することがあります。

サプリメント(オメガ3脂肪酸)

ドライアイは多因子疾患であり酸化ストレスや炎症などがその病態に関与しています。オメガ3脂肪酸には抗炎症作用と抗酸化作用があり、サプリメントとして摂取することが可能で、これを摂取することでドライアイ症状が改善したという報告があります。
オメガ3脂肪酸が含まれている食品として、青魚やマグロなどがあります。過剰に摂取することで血小板減少により出血傾向になることがあるため注意が必要です。

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