小沢眼科内科病院

Mini WELL
(ミニウェル)

Mini WELL(ミニウェル)はイタリアのSIFI MedTech社製のレンズです。EU加盟国の基準を満たす製品に付与されるCEマークを取得しています。
世界初の光学技術である『ウェーブフロントテクノロジー(Wave front technology)』を使用し、正の球面収差と負の球面収差を組み合わせることで、焦点深度を拡張させたレンズです。
Mini WELL®は、レンズ構造により遠方から近方(45cm)まで見ることが可能です。また、焦点深度の違うMini WELL PROXA®を片目に入れるWELL Fusion™という独自のシステムを使用することで遠方から近方(30cm)まで見ることが可能です。
レンズ構造に回折リングがなくグレア・ハローの影響が少ないことも大きな特徴です。
ミニウェルを使用した手術は保険適用外のため、自費診療となります。

Mini WELL (焦点深度拡張型眼内レンズ)

Mini WELL(焦点深度拡張型眼内レンズ) 01Mini WELL (ミニウェル)
の3つの特徴

(1)WELL Fusion™システムにより遠方から近方までの広い明視域

Mini WELLの最大の特徴はMini WELL®とMini WELL PROXA®を組み合わせたWELL Fusion™システムです。片目にMini WELL®を、もう片目にMini WELL PROXA®を挿入することで、互いの見えにくいところを補完し、遠方から近方まで明視できるようになりました。(図1)

図1 WELL Fusion™システム図1 WELL Fusion™システム

Mini WELL®とMini WELL PROXA®のMTF(空間周波数:光学的性能)を表した図2です。横軸は各焦点度数を示し、縦軸はMTF(光学性能)を示します。
すべての距離でMTFは高値ではありませんが、WELL Fusion™システムで互いを補うことにより、遠方から近方で高値を示し、スムーズに見えます。

図2 Mini WELL®とMini WELL PROXA®のMTF図2 Mini WELL®とMini WELL PROXA®のMTF

(2)WELL Fusion™システムにより遠方から近方までスムーズにピントが合う

横軸は遠方から近方(30cm)までの距離を表し、縦軸は視力を表しています。(図3)

  • Mini WELL®(紫色)では遠方から40cmまで0.8以上の視力を獲得できる可能性があります。
  • WELL Fusion™ (青色)では遠方から30cmまで0.8以上の視力を獲得できる可能性があります。
図3 WELL Fusion™とMini WELL®の遠方から近方までの見え方図3
WELL Fusion™とMini WELL®の遠方から近方までの見え方

(3)グレア・ハローが少ない

レンズ構造に回折がないため、グレアやハローが非常に少ないレンズになっています。

  • グレア図4 グレアとハローの見え方
  • ハロー図4 グレアとハローの見え方

図4 グレアとハローの見え方

  • Mini WELL®図5 Mini WELL®と3焦点レンズ(Pan Optix)のグレアとハローのシュミレーション比較
  • Pan Optix図5 Mini WELL®と3焦点レンズ(Pan Optix)のグレアとハローのシュミレーション比較

図5 Mini WELL®と3焦点レンズ(Pan Optix)のグレアとハローのシュミレーション比較

夜間の運転や外出が多い方にも適しています。(図4、図5)
波面制御型であることにより3焦点に比べて遠くから近くまで見え方がスムーズに変化し、グレアやハローの影響が少ないレンズと言えます。
しかしながら、単焦点に比べると多焦点眼内レンズ特有のデメリットであり、それぞれの距離における見え方の質の低下やグレアやハローが生じる方が一定数いらっしゃいます。
ご理解いただいた上での選択をお願いいたします。
Mini WELL®では強度近視の方、Mini WELL PROXA®では強度近視の方、乱視がある方は規格外となることがあります。また、極端に瞳孔径が小さい方も対象外となることがあります。その場合は、規格がある選定療養の多焦点眼内レンズをご案内いたします。

Mini WELL(焦点深度拡張型眼内レンズ) 02レンズの規格について

球面度数 乱視度数
0D~10D(1.0Dステップ)
10.5D~30D(0.5Dステップ)
なし
7D~32D(0.5Dステップ) 1.0D・1.5D・2.25D・3.0D・3.75D・4.5D

Mini WELL(焦点深度拡張型眼内レンズ) 03手術費用について

レンズ種類 Mini WELL®
Mini WELL PROXA®
費用(乱視なし) 片眼 ¥440,000円(税込)
両眼 ¥880,000円(税込)
費用(乱視あり) 片眼 ¥495,000円(税込)
両眼 ¥990,000円(税込)

※ ミニウェルを使用した手術は保険適用外のため、自費診療となります。
※ 手術決定時に、内金として手術費用の半分をお支払いいただきます。
※ 手術費用には術前検査、レンズ代金、手術後3ヶ月後までの診察費用、検査料、薬剤料を含みます。
※ レンズ発注後(輸入手続き後)のキャンセルは原則お受けできません。やむなくキャンセルとなった場合、内金の返金は致しかねます。
※ 手術費用は、現金またはクレジットカード(VISA・MASTER・JCB・AMEX・ダイナース等)でお支払いください。

手術費用について

入院をご希望の場合

差額室料 設備
大部屋 差額室料なし ロッカー、トイレ、冷蔵庫、テレビ、セーフティボックス
個室 ¥5,500(税込) ロッカー、トイレ、冷蔵庫、テレビ、セーフティボックス
特別室B ¥6,600(税込) ロッカー、トイレ、シャワー、冷蔵庫、ポット、空気清浄機、テレビ、
セーフティボックス
特別室A ¥22,000(税込) ロッカー、トイレ、浴室、冷蔵庫、ポット、空気清浄機、テレビ、
セーフティボックス、アメニティセット

※個室料は、1暦日の料金です。
例:個室1泊2日の場合 ¥5,500×2日分=¥11,000
※自費診療で入院される場合の料金となります。

レンズの摘出・交換等の治療に伴う費用について

治療内容 費用
レンズの軸ずれ修正 手術費用に含まれます
レンズ不適合や度数ずれにおける新しいレンズ挿入 手術手技料・レンズ料金をご負担いただきます
その他の合併症に伴う新しいレンズ挿入 手術手技料・レンズ料金をご負担いただきます

Mini WELL(焦点深度拡張型眼内レンズ) 04合併症

白内障で起こりうる合併症

白内障手術では以下のような合併症が起こる可能性があります。
(手術中に起こりうる合併症)
チン小帯断裂、後嚢破損、水晶体核落下
(手術後に生じる重篤な合併症)
眼内炎、駆逐性出血、網膜剥離

乱視軸ずれ(乱視矯正レンズを挿入する場合)

乱視矯正効果のある眼内レンズを使用する場合、レンズの固定位置が決まっています。手術直後~術後数日の間にレンズが回転してしまうことがあり、乱視矯正効果は減弱します。眼内レンズが回転して乱視が残存する場合は、レンズの位置を修正する処置が必要となることがあります。なお、乱視軸ずれによる軸修正に係る費用は手術費用に含まれ、追加請求はありません。

度数ずれ

100%の精度で屈折矯正を行うことは現実的には不可能です。近視、乱視が残ることで満足が得られない場合は、眼内レンズの入れ換え、もしくはアドオンレンズの挿入が必要になる可能性があります。
入れ替えに対する費用は、手術料及びレンズ料金をご負担いただきます。

不適合

その他、手術・検査・診察上はなんら問題なくても、術後に「かすむ」「にじむ」「見づらい」などの症状が生じる場合があります。
これらの多くは原因不明で、対応が難しい場合があります。まずは順応により見え方が改善することを待ちますが、症状が強い場合や時間とともに改善しない場合は、単焦点眼内レンズに交換しなければならないこともあります。
稀ではありますが、人工物が体内に入ること自体を受容できない人が存在し、この場合、単焦点レンズでも見え方や光の感じ方に不快な感覚が生じてしまうこともあります。
このような場合、患者様ご本人の許容が難しく、眼内レンズ交換を希望する場合は再手術となります。なお、再手術における手術費用は、手術料及びレンズ料金をご負担いただきます。

偶発症

手術を行うにあたり、予期しないもしくは発生する確率の極めて低い合併症や偶発症(医療機器の不具合、天災等)による、眼内レンズの入れ換えが必要になる可能性があります。なお、入れ替えに対する費用は、手術料及びレンズ料金をご負担いただきます。

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